ただなんとなく

ただなんとなく。っていうかなんとなーく。

「アンチャーテッド」の映画的表現は映像演出だけじゃないみたい

昨晩「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」というゲームをクリアした。

結論としては最高に面白かった。すごく面白かった。

久しぶりにもう1回やりたいと思わせるゲームだった。

 

前評判やシリーズ全編で言われていたように「映画的な映像演出」がふんだんに取り入れられていた。

しかしそれそれ以外にもいくつかの映画らしい要素に気づかされた。

 

まずはストーリー。

ストーリーなんてあってないようなもので、あまり気にするものじゃなかった。

日本人は読み書きと会話ができるし、文化や価値観が近いので、ストーリーに共感しやすく、複雑で奥深い作品が好まれがち。

でも世界をマーケット対象とし収益の最大化を狙うハリウッド映画の場合、ストーリーに偏重しすぎると好き嫌いや理解度の違いにより事業が失敗する。

ストーリーは極めてシンプルでわかりやすい事が求められる。

その点でこのゲームは成功していると思う。

 

よくよく考えるとこのゲームでは船を爆破させたり、古城に潜入して炎上させたり、飛行機を墜落させる事にまったく必然性はない。

たぶん作り手がそういうシーンをユーザーに体験させたかっただけなんだろう。

そういうシーンの連続を繋ぎ合わせるのがストーリーやシナリオの役目で、強引に必然性を与えているんだと思われる。

 

多かれ少なかれ、ゲームや映画、マンガ、アニメにはそういう要素はあると思う。

しかしこのゲームはそれが顕著で露骨で乱暴なのがすごい。突っ込みどころが満載で感覚が麻痺する。

でもそれがいい。

ちょうどダイハードとかに近い。

ダイハードなんて突っ込みながら見てたらきりがないもの。

 

次に効果音。

効果音のダイナミックレンジがすっごく広い。

具体的に言うと「大きな音」と「小さな音」の音量の差が激しい。

こうすることで、プレイヤーが役者の会話や町並みの雑踏に音量を合わせていると、爆発シーンや銃撃シーンの音量が大きく感じられる効果がある。

ただこれだと近所迷惑なので、ちゃんとダイナミックレンジを狭くするオプションがあるのがニクい。

 

次に登場人物。

悪いやつはちゃんと悪い顔をしている。

悪そうに見えて良いやつはいない。

人が良さそうに見えて悪いやつはいない。

キャラクターの内面とみためがほぼ一致している。

わかりやすい。

「あ、こいつは味方なんだなぁ」とか「こいつは悪者だ」ってのが見た目でわかる。

ほんと、よけいな推測や推理をする必要がないので、ゲームに没頭できる。

人物設定も実にハリウッド映画らしい。

 

なんとなくそんなことを感じた。